運送業とは
「運送業」とは、トラックやトレーラー等を使用して荷物を運ぶ事業のことを言います。
運送業は、「貨物自動車運送事業法」という法律において
@一般貨物自動車運送事業
…他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業であって、Aの特定貨物自動車運送事業以外のものと定義されています。運ぶものは、食品・衣料品・建築資材・車の部品・日用品・書類・書籍・精密機器など、私たちが生活するうえで目にするすべてと言えるほど多く存在します。
A特定貨物自動車運送事業
…単一特定の荷主の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業です(荷主の自家輸送を代行する事業)。
B貨物軽自動車運送事業
…軽貨物自動車を使用し貨物を運ぶ運送業のことを言います。
の3種類に分類されています。
運送業許可に必要な5つの要件
運送業許可には、大きく分けて「場所」「資金」「人」「車両」「法令試験」の5つの要件が必要です。
以下では、各々の要件を説明していきます。
場所的要件
@営業所について
・使用権限があること
・農地法、都市計画法、建築基準法等に抵触していないこと
・事務作業ができる程度の面積が要すること
A休憩・睡眠施設について
・営業所又は車庫に併設されていること
・事務スペースと休憩・睡眠スペースを分けていること
・一人当たり2.5u以上の広さを確保している休憩・仮眠施設を設けること
・使用権限があること
・農地法、都市計画法、建築基準法等に抵触していないこと
B車庫について
・営業所と車庫の間の距離が直線距離で10km以内であるこ。
・運送事業に使用される車両すべてが駐車できる面積であること
・車両と車庫の境界、及び車両と車両の間に50cm以上の間隔を確保すること
・車両の積載量に応じた、1両当たりの必要面積を満たしていること
積載トン数 | 一両当たり必要収容能力 |
---|---|
7.5トンを超えるもの | 38u |
2.0トンロング越〜7.5トンまで | 28u |
2.0トンロング | 20u |
2.0トンまで | 15u |
・車庫の前面道路の幅員(6.5m以上あればおおよそ問題がない)が車庫に適していること
資金的要件
資金的要件とは、事業を営むに当たって必要となる資金を有しているかどうか断する条件のことをいう。
必要となる資金とは
@人件費
A燃料費
B油脂費
C修繕費
D車両費
E施設購入・使用料
F什器・備品費
G保険料
H登録免許税
Iその他(水道・光熱費、通信・運搬業、広告宣伝費等)
そして、合計額以上の金額があることを、申請時と許可までの適宜の時点の2回において
残高証明書等で証明する必要があります。
人的要件
@事業主及び役員全員が欠格事由に当てはまらないこと
・1年以上の懲役又は禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わり
又は執行を受けることがなくなった日から、5年を経過しない者
・一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可取り消しを受け、その取り消しの日から5年を経過しない者
・未成年者又は成年被後見人
A運行管理者を確保していること
・運行管理者になるには、運行管理試験(国家試験)に合格するか、 5年以上の実務経験及び5回以上の自動車事故対策機構の講習を受講すること
が必要となります。
・運行管理者の人数は車両台数によってその必要人数が変わります
B整備管理者を確保していること
・整備管理者になるには、2年以上の実務経験及び整備管理者選任前研修を修了するか、整備士の資格を持つ者
C必要人数の運転者を確保していること
・運送業の許可を取得するためには、最低でも5台の車両が必要となるため、運転者も最低5人が必要となります。
車両の要件
@5台以上の車両を用意すること
A車両の使用権限を有していること
法令試験
運送業許可を取得するには、役員が法令試験に合格しなければなりません。
この法令試験は運行管理者試験とは異なりますので、運行管理者試験に合格していても、この試験を受験する必要があります。